下帯を緩められ、取り出された恋次自身は熱く脈打ちながら物欲しげに既に緩く頭をかがけていた。
ゆっくりと指で包み込み上下に扱いてやれば、素直に反応し硬さを増してくる。自分にも同じものが付いているというのに、それが可愛らしく感じられるのはやはり「愛しい」と感じる相手だからこそだろうか。
目線を恋次へと向ければ熱っぽい視線を此方へと向けてくる。濡れた瞳が早くと急かしているような気がして、一護はようやく先走りの溢れる先端に舌を這わせた。
もったいぶるように先端を一舐め。牡独特の臭いと苦みに少しだけ顔をしかめる。

「…苦ぇ」

そう言いつつ己の唾液を塗りたくるように何度も何度も舐ってやりながら、指で裏筋や袋を刺激してやる。そうすれば次第に恋次の腰が疼きだしはしたない声を漏らし始めるのだ。

「んっ…ふ…、あ…」

舌の動きに合わせて響く甘い声。
時折詰まるようにぴくりと肩を跳ねさせるのは、白哉が恋次の胸の突起に緩く指を這わせるから。弱い耳朶を舐るから。
敏感な箇所にあまり触れて欲しくなくて体を捩れば、驚くほど熱を帯びた声で名を呼ばれる。耳元から唇を離そうとしない白哉の声は、「名を呼ばれる」というそれだけの事なのに、絶大な力でもって自分を圧するのだ。
すっかりと立ち上がった牡を口に含んだまま、一護はゆるゆると皺をなぜるようにしていた指を少しだけ窪みに埋めてみた。自分へと向けられる期待を帯びた視線に目を細めた後、少し間を置いてゆっくりと、収縮を繰り返す穴に潜り込ませれば、その指の感触に声を上げてしまうのを恋次はぐっ息を詰めて堪えた。

前を見れば一護が、横を見れば白哉の視線が自分へと向けられているのは逃げ道が無い分、普段以上に己の羞恥心を煽るのだ。
二人きりでの閨事ならばもっと自分から快楽を求めて行動し、直ぐに周りを気にしないくらいに相手の熱に溺れてしまえるのに、今回はなかなか理性が頭の中から離れてはくれない。
恥ずかしいという感情がなかなか抜けないのに、目の前の二人は更に自分を煽ろうと模索を繰り返して埒が明かない。もういっそ手荒に扱ってくれた方が気が楽だと思えるほどに両者の愛撫が優しいのもくせ者なのだ。
ああ、乱暴でもいいから早く突っ込んで揺さぶって訳の分からない状態にしてくれ。そしてさっさと解放してくれ。
そう心の中で叫んでみても、口に出さないその言葉が伝わる筈は無く。
恨むように睨みつけても、迫力すら無い。

「っあ!…ちょ…、ぁ…」

反応の薄い恋次に焦れたのか、解し始めたばかりの後孔に早くも2本目の指が増やされた。加えて自身も一護の口腔に包まれて上下に扱かれれば、ダイレクトに伝わる刺激に声を堪える事が出来なかった。
駆け抜ける痛みに顔をしかめれば、白哉の手が優しく頭を撫ぜてくる。
脇の下から支えるように回り込む腕が、わき腹を撫で上げ顎を持ち上げ、もう一度と重ねられる唇の感触は、まるで酔いが回ったかのように思考をぼやけさせるのだ。
耳に響く水音が、上の口からなのか、下の口からなのかすら、もう分からなくなる。

「ん…一護、…もっ…イき、そ…」

下半身に溜まった熱が開放を求め脈打っている。
白哉との口合わせの合間にそう訴えればきゅうっとより強く牡を吸われるかのような感覚に背筋がぞくぞくと栗立った。
もう解放が近い。そう下半身に意識を込めた時であった。

「…んあ?」

ぐいっと強い力で額を押し上げられた事により、一護は口に咥えていた物を唐突に引き離され妙な声を上げた。
恋次が自ら引き剥がしたのかと見上げてみれば、中途半端で中断させたのは白哉の手であった。
もちろん、恋次は絶頂に至っておらず、もう少しの所。

「貴様ばかり先に得をするのは対等であるまい」

にたりと嫌な笑みを浮かべた白哉に一護は訳が分からない。
とりあえず一度恋次をイかせてから、此方が楽しめれば良いと、普段2人でするように考えていたからだ。
まずはキスから始まって、舐めて、挿入って順序は、まぁ…普通だよな。

「隊っ…それは、嫌…やめっ!…勘弁して下さ…」
「ならぬ」

その間にも白哉が拾い上げたのは、先ほどまで恋次の髪を縛っていた細い髪紐。それを硬く立ち上がる恋次の根本にキツく縛り固定したのだ。

嫌な予感に一護よりも早く抵抗を示した恋次の努力も皆無。
あっさりと射精を禁じられ、恋次は泣き言を上げた。

「マジか…」

二人のやり取りにようやく一護は理解する。
つまり最初の挿入は譲ってやるから、恋次をイかせる権利は此方に譲れと。これはそういう意味であり、恋次にとっては鬼畜極まりないプレイな上、俗に言う生殺しである。
躊躇なく行った白哉と素早く反応した恋次のやりとりを見ていた一護は、普段のこの二人がどんな際どい性生活を行っているのかと想像を巡らせ、苦笑いを浮かべるしかなかった。




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