夜が明けるまで
「開錠」
勝手に地獄蝶を連れ出して勝手に門を開ける。
こういう時に副隊長という肩書きは本当に便利だ。
警戒態勢を強いている状況下なら話は別だが、今日のように年末のお祭り騒ぎで只でさえ人の出入りの激しい瀞霊廷。
門番にも顔パスで通るし、数時間ほどなら何処に行っていようが今日は年末。
誰も気に留める者などいやしないのだ。
せっかく気を使って此方から訪ねてやるんだ。腹も減ってるし寒いし…、一護一人でも食い物くらい何かあるだろう。
理想的なのはコタツにミカンな展開が望ましいけどな。
余裕綽々、鼻歌交じりで門を潜る。
降り立った先は、一護の家の近くの公園。
辺りを見渡しても人の気配は無い。
夜の空気は現世でも尸魂界も変わらない程寒く、吹き抜ける風が肌を刺すように冷たい。
足早に家へと歩き出す。
何度も来た道で、迷う事等無いものの、何か感じる違和感。
それもその筈、普段なら無意識でも漂ってくる一護の霊圧が感じられないからだ。
嫌な予感的中。
路上から見上げた黒崎医院は、一階はもちろん締め切られ真っ暗だったが、二階の一護部屋にも灯りは無く、真っ暗。
「いねぇし…」
こんの馬鹿一護。人をせっかく呼んでおいて家にいねぇとはどういう事だ。
せっかく此処まで来たんだし、帰るのもそれこそ馬鹿らしい。探し出して一発殴ってやる。
とりあえず、元来た道を引き返す事にした。
既に日が落ちた空は星さえも見えずどんよりと黒灰色な雲に覆われ、この低気温。
もしかしたら、雪でも降るんじゃないだろうか。
そう思い足を速め、小走りで探し始めるものの目的の霊圧はなかなか感じ取れない。
⇒浦原商店に行ってみる
⇒川辺の方に行ってみる
【 戻る 】