夜が明けるまで
「あんた達遅いわよ〜」
十番隊執務室。
もうとっくに始まっていた宴会場の扉を開けると、お猪口に注ぐ手間を省き徳利に直接口を付け豪華に飲み干していた乱菊が声をかけた。
既に呂律が回らなくなっている様子から、もうかなりの量を飲んでいるのだと伺える。
「んじゃ、乾杯」
仲の良い同士輪になって先ずは一杯。
ガチンと酒を満たした陶器をぶつけ合い、一気に喉へと流し込む。
「恋次!あたしの酒だからじゃんじゃん飲んでよ!ほらみんなもっ!!」
「ちょっ日番屋隊長にまた怒られますよ」
「いいのよぅ!さっき隊長のジュースにちょこっと混ぜたらホラ」
指差された先、ソファの上にはすっかりと熟睡した十番隊長。
ぐっと親指を立てた乱菊の笑顔が嫌に眩しい。
今夜は飲めや歌えの大騒ぎ。
A HAPPY NEW YEAR!!
⇒あとがき
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夜は更けて。
「うぅ…吐きそ…」
「大丈夫かよ?顔色悪ぃぞ」
酒豪に乗せられるまま酒を水のように飲んだ結果、喉の奥までこみ上げる嘔吐感を必死にやり過ごそうと大きく呼吸する恋次の横で、唯一生き残ったと言える檜佐木は苦しそうに上下する背を撫でてやっていた。
遅れて宴会に入ったから良かったのか、それとも酒豪に絡まれずに済んだ事が良かったのか。
もう他の連中は雑魚寝状態で、この2人以外まともに意識がある者はいない。
「やっぱ…俺、ちょっくら厠行ってきま…す」
「おう。付き添ってやろうか?」
「イエ…、大丈夫っす…多分…」
口と胃を押さえつつもよろよろと立ち上り部屋を出ていった恋次を、檜佐木は心配そうに見送った。
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