夜が明けるまで



「檜佐木先〜輩〜」

九番隊へ向かいながら、そらで覚えた携帯番号を押すと、数コールも経たずに繋がる声。
繋がった事に安堵して甘えるような声で呼べば、その相手は呆れたように笑った。

「お前仕事はどうしたよ」
「ん、終わりました。檜佐木さんは」
「俺もだ」



「そっち、行っていいっすか?」





何でもない事を話しながらも九番隊へ到着。そのまま檜佐木を探して隊首室へと向かうと、首室の扉の前で待っていた檜佐木は恋次を見つけて手を上げた。

先ほどの電話で乱菊のいる十番隊の宴会に参加しようと話したばかり。これから吉良も誘って飲み食いして年を越そう。そう恋次は心躍らせているのだが…。

「丁度良い所に来たな、ちょっと手伝え」
「へ?」

合流した檜佐木の口から出た予想外の言葉に、一瞬意味が分からなかった。



理由も分からず連れて行かれたのは隊の食堂。
誰もいない暗い部屋から檜佐木が手探りで引っ張り出したのは大量の、酒。

「…何すかコレ」
「さっき乱菊さんから連絡があってな。宴会来るなら酒が無くなったから持って来いって」

「…日番谷隊長に内緒であんなにストックしてある酒が、全部っすか?」
「ああ。とりあえず途中参加の奴は強制持込だそうだ」

ほらお前の分、と渡された袋は大量の酒瓶のおかげでずっしりと重い。それを両手に持てるだけ持たされて、恋次はその重さにげんなりした。


「さっさと行くぞ」


同じく大量に酒を抱えた檜佐木はさっさと先を歩いて行ってしまう。
それを追いかけるように、恋次は落としそうになる酒を必死に抱え、その後を追いかけた。







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