夜が明けるまで



「うげ、石鹸苦ぇ」
「…っ…当たり前だ!」

口を離した途端顔を顰めた恋次に一護が顔を赤らめて怒鳴った。
それを笑って聞き流すと、もう一度口を付ける。

「っ…ん…」

今度は一護の口を無理やり開けさせて、苦い石鹸の泡ごと舌を差し込んだ。
苦い味が口の中に広がる。離れようと体を動かす一護の歯列を誘うように舐めてやれば、離れる何処か直ぐさま舌が絡まる。そのまま何度か角度を変え口付ければ、自然と腕が恋次の肩へと回され、がっちりと引寄せられる。

「ん…一、護…」

恋次もかまわず一護の好きにさせ、もっとと言うように唇を押し付けお互いの唇を味わった。
すぐ傍で出続けるシャワーの音にかき消される事もなく、その口付けの粘着質な音はお互いの口の中で響いている。


「今日はこの家、俺らだけなんだろ?」
「お、おう…」

満足したのか、口を離すと恋次はにやりと笑った。
その顔は濡れた髪が肌に張り付き、汗とも湯とも言えぬ水滴が滴って悪戯に欲情的に一護の目には移る。


「…してぇ」

その一言。
次の一護の言葉は肯定か否定か判断つかぬまま、再び恋次の唇によって塞がれいた。



相変わらず傍のシャワーは流れ続ける。

2人の情交を掻き消すように。熱い湯を流し湯気が室内を白く染めていた。






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