恋、はじめました




午前中の仕事がようやくひと段落ついた閻魔大王は、昼食を取る為に食堂へと足を向けていた。
入口に掲げてある本日のオススメランチと定期的に注文している定番メニューとを見比べてどちらにしようか、テレビの前の席が空いていたらいいね、など和やかに言葉を交わしながら料理の乗ったお盆を手に空いている席を探す。
昼を少し過ぎた時間帯の食堂は満席とまではいかないものの八割がた埋まっており、食事中や食べ終わったらしい獄卒らが皆それぞれ談笑したりテレビを眺めたりと賑わいを見せていた。
適当に空いている席を見つけた閻魔はふたり分の水を用意する為に遅れた連れを手招きで呼びよせ、向かい合って腰を下ろし手を合わせる。

「それじゃ」
「はい」
「いただきます」

今日の昼食、特大の海鮮丼の器に手にかけ艶々のイクラが乗った白飯をいざ口にかき込もうとした時だった。

「…こいとは、どんなものでしょうか」

向かいの席に座っている腹心の部下…鬼灯が、卵をたっぷり使ったタルタルソースのかかったエビフライを箸で摘み上げたまま、そのサックサクに揚がった美味しそうなメインディッシュを口に入れる事も無く突然ぽつりと呟いたものだから、閻魔大王は口の端から溢れそうになっているイクラを危うく数個落としてしまう所だった。
ちなみに海鮮丼にはその他にも甘エビ・鮭・鮪、そして金魚草の切身が乗っており、食欲をそそる彩り豊かな盛り合わせである。

「こ、こい?お魚の鯉?」
「いえ、恋愛の恋です。魚は金魚で十分です」

何の脈絡も無い上に眼前の海鮮丼に意識の半分以上を向けていた閻魔が違う方向へと勘違いした事に不快な視線を向けた鬼灯は、それきり口いっぱいに頬張ったエビと山盛りの白飯を交互に口元に運び咀嚼し飲み込むという一連の動作を、ぶっちょう面のまま淡々と繰り返すだけだ。

地獄一筋で仕事中毒の冷徹補佐官。時々紹介しようとする見合い話を興味なさげに袖にあしらい続けている鬼灯から突如発せられた「恋愛」という単語に、閻魔は目を輝かせた。
そういえばここ数日、何か考え事や物思いに耽っているような気がしていたなとは思っていたのだ。
今日だって鬼灯が席を外している最中にこっそり菓子を食べたり隙を見つけてはサボったりしていたが、戻った時にゴミ箱に捨てた菓子袋をめざとく見つけられたり、外していた時間のわりに進んでいない仕事量を咎められたりもしなかった。
普段なら絶対に一つ二つのお仕置きはあるだろうに、それに気づかず恋について考えていたなど誰が予想できるだろう。やっと身を固めたいと思える”良いひと”が出来たのだろうか。自分の知らない所で素敵な出会いがあり、伴侶を持ちたいと思える相手をようやく見つけたのだろうか。

「違います。何でそう突飛な発想になるんですか」
「えええ、だってぇ〜」

で、相手はどんな娘なんだい?と恋バナで盛り上がる乙女のような表情で話を聞こうとする閻魔大王を速攻で否定した鬼灯は、眉間に皺を寄せて大きな溜息を吐いた。
そのついでに備え付けの醤油を取るふりをしながらひょいと箸を伸ばして閻魔が大事に残しているであろう丼の主役、鮪の切り身を拝借する。実に自然に、流れるような所作である。
口に入れた極上の大トロは舌の温度だけでとろりと溶けてしまう程に脂が乗っており、二度三度噛んだだけでもう咽の奥へと消えてしまう。油で揚げたフライも働き盛りの体には良いエネルギーとなるが、これはこれで素晴らしいと鬼灯は目を細めつつ本題を切り出した。

「先日、新卒を交えた歓迎会で居酒屋に行きまして」
「うん、儂も一緒に行ったよね」
「その時聞いた事なのですが…」

5日程前。新年度の変わり目という時期で移動した獄卒や新卒の歓迎会と称して居酒屋を貸し切ったのだ。
歓迎会といっても同じ部署の獄卒ばかりというメンツでは無く、お香や不喜処の動物達、桃太郎や白澤など部外者もちらほらと参加しており、新人の挨拶が済めば後はもうただの飲み会である。

その時、たまたま鬼灯の隣になった同僚が最近起こった出来事について話していたのを升いっぱいの日本酒に口をつけながら何となし耳に挟んだのだ。
彼は記録科が書きつけた書類や裁判に必要な資料をまとめるなど様々な事務処理方面での補佐的な仕事を担当しており獄卒の中では古株に入る。鬼灯とも誘われれば飲みに行くくらいは親しい仲だ。
その彼には部下が何名かおり、去年まで地味で目立たたず平均的、全てにおいて中の中としか言いようがなかった部下のひとりが、ここ1ヶ月で明るく社交的になり別人かと思う程に変わってしまったのだという。悪い意味では無く、良い意味でだ。
向上の要因となっているのが、新しく移動してきた女鬼に恋をしているからだと彼は言う。
意中の相手の前ではもちろんの事だが、日常生活にも張りが出て仕事への意識や成績までもが格段に向上したのだから珍しい事もあったものだと話す同僚に、丁度獄卒の意識改革について考えていた鬼灯は興味津々に食いついた。

「まぁ、元々の性格は直ぐには変えられないだろうし、今までを知ってる俺達から見れば相当無理してる感じはありますけど」
「しかし去年と比べてそれだけ仕事に意欲的になったというのは素晴らしい事ですね」
「ええまぁ、それに彼女の仕事を手伝うだとかで連日残業続きで」
「お相手の方は?」
「あぁ、無駄っすよ。彼女衆合地獄からの移動なんで掌で上手く転がしてる感じで…、まぁ高嶺の花ですね」
「恋人同士になってもいないのに?」
「告白するとかそんな勇気無いみたいですよ。隠し撮りした写真眺めてニヤニヤするくらいで。アイツにとっては初恋みたいですし…まぁ彼女の為に何かする事が今は生きがいみたいなってるんですかねぇ」

それよりも変な方向に転んでストーカーになってしまうとか、告白して振られた時にショックで仕事を辞めてしまわないかが怖いですよと笑う獄卒の話に、鬼灯はそうですねと相づちを打った。

「それよりも、鬼灯様はどうなんです?気になるコとかいないんですかぁ?」
「私は…」

それを近くで一緒に聞いていたらしい女鬼の獄卒が、同僚の話を遮って鬼灯の方へと話を変えた直後。

「ねぇ、何の話?恋バナ?常闇鬼神の恋バナ?」
「…っ、気安く触るな!!」

絶妙なタイミングで間に割り込んできた泥酔中の白豚を裏拳で殴り飛ばし大喧嘩に発展したせいで話は終わってしまったが、つまりは恋に落ちた若鬼が恋の魔法にかかり、向上心となり、全てにおいてプラスに働いたという話だ。

「それで、それほどまでに仕事に張りの出る恋とはどんなものかと考えておりまして」
「うーん…恋愛っていつの時代も難しいものだし、若い子の初恋なら尚更恋に恋してる感じだろうしねぇ…」
「それですよ。恋に恋する感じとはと考えて、色々な方に聞いてみたのですがどうも不明確で…」

自分にはその経験が無いからどうも理解できないのだと首を捻りながらも白飯を頬張る鬼灯を見て閻魔もまた髭を撫でながら考えてみる。恋は盲目とは良く言ったもので、入れ込んだ挙げ句仕事に障りが出たり日常生活が破綻する事もよくある事だ。
現に衆合地獄では惚れた腫れたが日常茶飯事。毎年恋をきっかけに辞めていく者も多くある中で上司が酒の席で話題にする程良い意味で向上しているというのは珍しいとしか言いようが無い。
だがこれが成就した恋ならばまだしも片恋。それから一歩進んでみて恋が成就すれば良いが、玉砕してしまう可能性の方が高いのなら、行き着く先はあまり明るくはなさそうだ。

「そんな事、君が聞いてどうするの?」
「今以上に仕事に張りが出るのなら、是非体験しておくのも悪くないと思いまして」
「えっ!本当!!?じゃあちょうど君に紹介しようと思ってた知り合いの娘さんがね!」
「お断りします」
「えええ〜、何で!!?」
「恋とは落ちるものだと伺いました。それに動機が不純過ぎます。相手の方に失礼でしょう」
「そんな事ないよ〜。会ってみるだけでもどう?」
「お断りです」
「それよか鬼灯君!儂が最後に食べようと取っておいたマグロ全部食べちゃったの?酷いよ〜」
「今更ですか、もう返せませんよ」

せっかくの楽しみにしてたのにと泣きべそをかく閻魔大王を横目に、本日のオススメランチだった特盛エビフライ定食を全て腹に収めて満足した鬼灯は、再び昼休憩終了の僅かな時間の合間に「恋とは何か」を考えて物思いに耽るのだった。



------------------------------------


さて、仕事も終わり夜も更けた頃。
鬼灯は湯上がりに濡れた髪を拭きつつ自室の作業机に座り、険しい顔で筆を構えていた。

恋…とは。
自分が見えなくなるもの。
気がつけば目で追いかけてしまうもの。
会った時、目が合う時に胸が高鳴るもの。
振り向かせようと気を引いてしまうもの。
特別な表情を自分に向けてほしいもの。
ずっと相手の事を考えてしまうもの。

「ふむ…」

書き出してみた所でどうなる事でも無いのだが、力強い筆圧で書き出したその羅列はどこその会社の壁に貼ってある社訓か何かのように見える。
ちなみに現世の大辞林を開いてみると、恋とは「特定の異性に強く惹かれ、会いたい。独り占めにしたい。一緒になりたいと思う気持ち。またそのこころ」とある。
2万8千ページ以上という現世の万能辞書には例文を覗きたった3行程しか恋の記述が見あたらなかった。むしろその下にある「濃い」の方が行数的に格段に記述が多いのが少々複雑な気持ちにさせる。
ついでに「愛」も調べてみれば、「対象をかけがえのないものと認め、それに引き付けられる心の動き。またその気持ちの表れ。相手の為に良かれと願う心。何事にもまして大切にしたいという気持ち」とあった。

「愛なら分かるんですけどねぇ…」

あいの字を指先でなぞりつつ、頬杖をついて考え込むと自然と眉間に皺が寄ってしまう。それを解すように指で揉みこんで、鬼灯はもう一度ため息を吐いた。
地獄や閻魔大王に対する自分の忠義は間違いなく愛だと説明出来るのに、恋とは何と難解なものであろう。辞書ではたった3行で説明出来る程簡略的な事柄が自分には理解できない。そう思えば思うほど妙に不愉快だ。
例えば、その者の前では平常な自分を保てなくなり、気が付けば目で追いかけて、会話するだけで動機が高まり、振り向かせようと手を出して、特別な表情が見たいと思える相手。それでいて、離れていようとも相手を想うだけで仕事が捗る相手だ。
仕事の向上、それに繋がる相手とは果たしてどんな相手だろうか。
シロさんや芥子さんは恋というベクトルには当てはまらないだろうし、お香さんや樒さんと接しても特別仕事が捗るという事は無い。閻魔大王や烏頭さん、蓬さんに限っては仕事が進むどころか停滞する事が多く、意欲向上とは言い難いだろう。
会うだけで仕事が捗る相手。意欲が向上する相手…そんな相手が果たしているのだろうか。
うーん、うーんと何度も頭を捻る鬼灯の背後に、怪しい影が迫っていた。

「何?調べもの?お前が辞書って珍しいー…」
「!!!」

耳元で突如聞こえた声に、鬼灯は反射的に開いていた大辞林を勢い良く閉じ、掴んだままの辞書を条件反射の如く振り上げていた。
ゴッと鈍い音を立てて白い影が床へと沈みこむ。それを更に踏みつけてから鬼灯はようやくその影を視野に捉えて、ああ、同僚じゃなくて良かったですと悪びれる事無く吐き捨てた。

「さすが厚さ25cmは音が違いますね素晴らしい」
「お前なぁ」
「不法侵入は犯罪ですよ」
「僕はちゃんと声を掛けたんだからな。本で殴るとか文学への冒涜だぞ」
「申し訳ありません。とても手にしっくりくる重みでしたので。…で、何の用ですか白豚さん」

殴られた頭部を押さえつつ立ち上がった白澤は酒臭くも女臭くも無く、衆合の帰りにふらっと冷やかしに来たといった風では無いようだ。
要件次第では摘み出しますと前置きを付け睨み付ける鬼灯を前にした男は、落ち着かない様子を見せた。

「この前店に来た時、オマエ僕の事殴らなかったじゃん」
「…?」
「なんか元気なさそうだったからさ…」
「用件は簡潔に言いなさい」
「体調でも悪いんじゃないかって思って…」
「それで、何のご用ですか」
「だから…っ!」

言いたいことがあるのにハッキリ言えない…そんな様子を通り越して挙動不審になり始めた白澤の様子に鬼灯は一度殴ってやろうかと掌に力を込めたものの、ふと先ほどまで考えていた事を思い出していた。

平常な自分を保てなくなり、気が付けば目で追いかけて、会話するだけで動機が高まり、振り向かせようと手を出して、特別な表情が見たいと思えて、離れていようとも相手を想うだけで仕事が捗る相手。
そういえば、コイツの前では平常心を保てなくなる。気が付けば目で追いかけて殴りたくなる。会話するだけで動機が高まり殴りたくなる。他に意識が向いているなら振り向かせようと殴って、極楽蜻蛉でへらへらした表情が崩れるのを見るのはとても楽しい。もっとそんな顔が見たいと思える相手だ。
そして、離れていようともコイツに次はどんな呵責をしようかと考えるだけで胸が高鳴る。完璧だ。

「来た時にさ、桃タロー君に聞いてたじゃん…こ…恋…とか、…僕だって気になるし…」

確かに薬の受け取りの為に店を訪ねた時に桃太郎にも閻魔大王に聞いた内容と同じ質問をした。常識ある正常な若者ならばきっと答えを示してくれるだろうと期待した結果、少々照れを見せながらも「恋は落ちるもの」だと聞かされたのだ。だがそれは桃太郎相手の話であってコイツに聞いた訳ではない。
そうだ。自分にはこんなにも条件に当てはまる丁度良い相手が此処にいるでは無いか。落ちるというならばきっとそうだ。
どれだけ無碍に酷く扱おうと大丈夫な恋の相手。殴っても埋めても大砲に詰めてぶっ放しても平気な恋に恋できる相手。両想いには決してなり得ない片恋の相手。
しかも初恋は実らないと聞く。ちょっと恋に恋して捨てる予定なのだから、このスケコマシなら悪くない。むしろコイツ程ふさわしい相手は他にいないのではないだろうか。

「白豚さん」
「な、何だよ…」

もしもこの場に閻魔大王や桃太郎が居たならばきっとその考えは違うと否定し、正してくれだであろう。もしも繁忙期などで仕事以外何も考えられない程忙しい日が続いていたなら、最初から考えつきもしなかっただろう。
たまたま仕事がスムーズに回って比較的ゆとりの時間があったが為に起こった所謂気の迷いという奴だという事を鬼灯は自覚しないままでいる。現在彼を止めてくれる者はおらず、この部屋に居るのは仕事の効率を更に上げて地獄の為に働く気満々の仕事中毒と哀れな極楽蜻蛉のみ。

「私、貴方に恋をしようと思います」
「…え?」
「短い間ですが、よろしくお願いします」
「え……本当に?いいの?」

礼儀正しく頭を下げた鬼灯にとって、この恋は仕事の効率を上げる為の実験的な試みだ。うまく行けば良し、いかない場合は即効で取り止めるつもり。相手の事を想うだけの片恋、プライベートにも時間を割くなんて非生産的な事をする気などさらさら無かった。
仕事中に白澤を思い出して、イラっとした衝動のまま呵責すればきっと楽しいだろうな、くらいのノリで鬼灯は再度確認を取る白澤に頷いて見せる。

「僕、大切にするよ!」
「しなくて良いです」
「もう花街で遊ばない!」
「貴方良い金ズルなのでそれは困ります」
「店に来てくれたらマッサージするよ」
「それはお願いします」
「泊まってくれたら温泉とお酒飲み放題つけるよ」
「良いですね」
「じゃあ週末…」
「気が向けば」

両手でがっしりと肩を掴み、詰め寄ってくる白澤の行動がどういう意味か理解できていない鬼灯はふわりとあくびを噛み殺した。暫くの悩みが解決して気分はスッキリ、明日から仕事が楽しみだ。

「私眠いので帰ってくれませんか」
「あ、…うん」
「……」
「あのさ、…ええと」
「まだ何か?」
「…えっとね、…おやすみの…キ、っ…したいな…って」

もじもじと指遊びをする白澤が絞り出すようにして告げた肝心の部分は襲ってくる眠気の為にもう一度あくびをした鬼灯には届かない。

「あ、そうでした。写真撮ってもいいですか」
「え…僕の?何で?」
「待ち受けにしたいので」
「っっ!!!!??」

ちょっとその阿呆面撮るので待ってくださいねと携帯を操作し始めた鬼灯に、とうとう白澤は震えだした。
ああもう何コイツ可愛い過ぎる。そんなに僕の事好きだったの。待ち受けにしたいって何それベタ惚れなの。マジか殺す気かこのツンデレ鬼め。つうか今僕すっごい顔してる。絶対顔真っ赤にしてるし白澤の白澤がもうヤバい!!
「待って!!今は駄目!!写真ならちゃんとしたのあるから!」
「いえ、今の貴方最高に気持ち悪いのでコレで良いです」
「ちゃんとあるから!ちょっとデコ出してポージングしたとっておきのがあるから!!」
「はいはいおじいちゃん撮りますよー、はいちーず」
「駄目ぇぇぇ!!!!」

パシャリとシャッター音が鳴り終わる前に、白澤は絶叫を上げながら逃げるように部屋から飛び出していた。
携帯を構えたままひとり残された鬼灯は撮り終わった画像を確認してみるが、保存された写真はぶれぶれで見れたものではない。辛うじて白衣らしきの白い部分がぼやっと写っているだけの代物だ。

「まぁ…これでいいか」

手慣れた操作で待ち受けに設定した鬼灯は、メニューの後ろにぼんやり見える白くてよく分からないものを眺めて画面を閉じた。眠気でぼんやりとした思考のまま布団に潜り込めば直ぐ様夢の中。
翌朝、盛大に勘違いした白澤に大量の写真を送りつけられる事を始まりとして、仕事どころではなくなる事態にまで発展し、この試みが早々に失敗するのを思い知らされると共に神獣の本気を目の当たりにして激しく後悔する事になるとは思いもしなかったのである。



【 戻る 】

Fペシア