夜が明けるまで
熱に浮かされて力の入らない体を下から貫くように挿入すると、体重で思いの他早く入ってゆく白哉の牡に恋次の体は大きく跳ねた。
縋りつくように肩に回される手も、首筋に埋める顔も、白哉の肌も、お互いの汗が混ざり合い熱を生む。
吐き出す息も熱く、交わす接吻は焼け付くようだ。
「あぁ…っあ…ァ…」
うわ言のように恋次が声を上げる。
ユサユサと上下に揺さぶられるのに合わせ、白哉の眼前に広がる紅の髪も揺れ白哉を楽しませた。
繋がった状態のまま体位を変え恋次を組み敷くと、片足だけ肩に担ぎ上げた白哉は高みに向けて大きく挿入を繰り返し、それに合わせて恋次も緩く腰を揺らす。
「はあっ…あっく、朽木…隊ちょ…っ」
「恋次…」
「ぁ…ひっ…ソコ…ぁっ、あぅっ」
窓の外の雪に青白く照らされて浮かび上がる白と黒の部屋。その中でも妖しく揺らめく紅に、魅了され己が欲を掻き立てられ。
支配されたのは、さて どちらか。
「隊長!ぁ…ああっ!」
浮かれた意識のまま喘ぎ、そして耐え切れず体を強張らせて吐き出した。
「へくしゅ!」
「…汚い」
「隊長がこんな所で盛るからですよ。風邪引いちまったらどうするんすか」
「…馬鹿は風邪なぞ惹かぬと昔から」
「あーそうデスカ」
お膳の上に無残に散らばった夕餉を見つめ恋次は溜息を吐く。せっかくの豪華な料理も、結局白哉に邪魔されて残りを食べる事ができなかった。
実はまだ腹一杯とは言えず、先ほども体力を使ってしまった事を考えればちっとも十分とは言えない。
愚痴を零す恋次に適当に相槌を打ちつつ羽織だけを肩にかけた白哉は、外に積もってゆく雪を見つめすっかり冷めてしまった酒を手酌で煽った。
今宵はまだ始まったばかり。
もう一戦しても良いな、などど考えている白哉の心を読める筈もなく、恋次は食べ損なった夕餉を眺めては、明日の御節のメニューはどんな物が出るかと考えている始末で。
もうそろそろ除夜の鐘が鳴り。
迎えるは新年。
夜は更けてゆく。
−終−
⇒あとがき
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