- 酔い任せ - [妄想人に捧ぐ48のエ口御題]
くちゅ…。
虚ろな思考を緩やかに現実に引き戻したのは長い長い口づけ。
口の中を滑った舌が動き回る音。
「…はぁ…っ…」
大きく吸い込んだ酸素が頭ん中を鮮明にしてく。
あれ…?
何で隊長が上に乗ってんだっけ?
さっきまで俺は先輩らと飲んでて…それで…それから…。
それから…?
「恋次」
「隊長…もっと…」
俺の服を脱がそうと、少し距離を取った隊長を引き戻して唇を舌で押し開ける。
直ぐに俺の舌に隊長の舌が絡まって応えてくれるから、嬉しくなって首に腕を回してすがりついた。
ちゅく…ぴちゃ…っ…。
生ぬるい唾液が混ざり合って頬を流れていく。
「…ふっ…ぅ…あ…」
脱がすのを諦めた隊長の手が袴の中に差し込まれて、俺のをゆるゆると擦るから。
感情の変化があまり無い隊長の目が、獣みたいに鋭いから。
…すげー興奮する。
気持ちいい。
「っ…あ…早く…」
「そう急かさずとも良いだろう」
あぁ…少しだけ笑った顔がとてつもなく綺麗で。
こんな顔見たの初めてで、嬉しくなってまた笑いがこみ上げてくる。
「ふ…たぃちょ…ぅ」
いつの間にか秘部をほぐし始めた指が中の肉を擦るから、立ち上がった自身を優しく愛撫してくれるから、それがゾクゾクと全身へ伝わる。
「隊長早く…欲し…」
そう何度もねだったのに、相変わらずこの人は同じ動作しかしてこない。
足りないって。
我慢できないって。
お願いだから…。
「このように酔いつぶれた時にしか、お前は私を求めないのだな」
なに?
聞き返したけど、それも綺麗な微笑で誤魔化されてしまった。
寂しそうに見えたのは、気のせいだったのかもしれない。
fin
約30センチの続きって感じで。
(05.11.20)
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