- 鎖 - [妄想人に捧ぐ48のエ口御題]





「…はっ…、ぁう…」

後ろに回されて固定された腕が痛い。

冷たい金属が両手に巻きついて動きを制限する。皮膚を擦る。

何度も外そうともがいたから、皮が摩擦で剥げた感覚がヒリヒリと熱を持って、神経に伝わってゆく。

冷たく体温を奪っていただけのがソレが、今は酸化してるみたいに熱を持って熱い。痛い。


その音が、耳に煩い。


「…恋次……こ…を、…って…」



何?

何て言ったんですか?
聞こえない。


雑音が、その音が煩くて聞こえないんです。


「…っひ…ゃ…、んぁ…っ…」

聞き返そうにも、動きを緩めてくれるどころか、更に加速する律動。
追い上げられる熱。

後ろに回されたまま、うつ伏せの状態で突かれている。
腕の自由が効かないから、顔は重力に逆らえずに床の上に張り付いて、不規則に呼吸を繰り返す口。
だらだらと唾液がそのまま床に流れて、頬に張り付いて気持ち悪い。拭うことすらできない。

腰だけアンタの手で浮かせられて、屈辱的な格好。


怒っているのか、機嫌が悪いのか。それさえも分からない。

コレが邪魔で。顔が見えない。

確認できない。



触れる事が、できない。



「外し…っあ…手っ…取っ…」
「ならぬ」

「…嫌だ…っあア…、はっ…ぁ…」
「恋次…逃げるな」


痛い。
痛いんです。


ずるずると出入りする熱い塊が容赦なく秘部の肉を広げる事が。
腕に巻きついたままのソレが、皮膚を磨り切る事が。



アンタに触れられない事が。




その音が煩くて、アンタの声が聞こえない。






fin



あえてジャラジャラとか音を入れずに。



(05.11.19)

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